自己愛性人格障害と国際離婚

自己愛性人格障害者と離婚する決意をしながらもまだまだ決着がつかない海外在住者の独り言です。

子どもたちのこと

離婚はすべきではない、と思っていたし、

できることなら避けるべきだと今でも思っている。

特に子供がいる場合は。

生活の変化、環境の変化、何もかもが今までと違ってしまうことは、

大人ですらそれに慣れるまで大変であるのだから、子供には尚更である。

しかも、『大人の都合』で、離婚するのはやはり身勝手だとも思う。

だから、なるべく離婚は回避すべきだと思う。

 

よっぽどのことじゃなければ‥

 

私はそう思って、結婚生活を持続してきた。

早死にするなぁ、と思いながら生きてきた。

子供たちが一人前になるまではなんとか生きなきゃなぁ、と思って生きてきた。

感情をなくし、嘘の笑顔を振りまき、

とにかく一日が平穏に終わるためだけに生きてきた。

その繰り返しに慣れるように、自分を持っていった。

とにかく一日が終われば、後はどうでも良かった。

 

去年の夏を除いては、私と子供たちは毎年、日本で夏を過ごしていた。

私達はとても楽しい時間を、毎回過ごしていた。

私にとって、これは夢の時間であった。

 

三年くらい前だろうか、夏休みが終わり日本から戻ってきて数日後、

次男がお風呂で泣いた。

「日本、楽しかった。おばあちゃんに会いたい。

どうして、僕たちはここで暮らさなきゃいけないの?」

「だって、私たちはここに家があるからよ。

ここはお父さんの国だからよ。」と、私は答えた。

次男はこう返してきた。

「でも、お父さんは仕事してないじゃん!

だったら、ここにいることないでしょ? なんでここにいなきゃいけないの?」

私は答えに詰まった。

 

長男と父親の関係はすでに最悪であった。

勉強しない長男をとことん非難する相手。

恫喝したり、叫んだり、手を出したり。

時には、セコい取り引きをして、勉強をさせようとしていた。

(勉強したら、これを買ってやるという類の取り引きのことだが)

また、ある時は長男のクラスメイトと比べたりした。

「あの子供に比べて、お前はなんてバカなんだ!」

これら全てのやり方は私は本当に嫌いであった。

 

以前は、私も話に加わっていた。

「他の子供と比べないでほしい。」

「手を出さないでほしい」と、相手によくお願いしていた。

 

しかし相手の返しはいつも決まっていた。

「お前のせいで、子供がこうなったんだ!全部お前が悪いんだ!」  

 

勉強以外でも、相手は長男に対して常に酷かった。

「子供っていうのはな!お父さんの言うことを聞くものなんだ!」

と、相手は長男に言い、

自分でできることでも長男に言いつけていた。

あれしろ!あれを持って来い!など命令した。

長男は激しく反発した。

年齢的に反抗期の時期も相まって、長男はお父さんにとことん反発した。

「お父さんがやれよ! そのくらい自分でできるだろ!」

 

こうなると、今度は私が相手に詰られる番になる。

これもいつものことだった。

「お前の育て方が悪いから、子供がこうなったんだ! 全部、お前のせいだ!」

 

この言葉に、今度は長男がまた反発する。

「お母さんは悪くない!全部、お前(父親のこと)が悪いんじゃないか!」

 

そして、この流れになると相手は必ず私にこう言う。

「お前は子供たちに俺のことを悪く言ってるんだな!

お前は子供たちを上手く手懐けやがって! なんて酷い奴だ、お前は!」

 

この繰り返しの日々だった。

私はもうすっかり疲れてしまっていた。

 

 私は長男に言った。

「お父さんに何を言われても聞き流してちょうだい。

何か理不尽なことを頼まれたら、しなくていいから。

お母さんが全部しておくから。」

 

長男は、私を怒った。

「お母さん。僕は間違ってないよ。 何も悪いこと言ってないよ!

本当のことを言ってるんだよ!分かるでしょ?

それなのに、なんで僕達がお父さんの言うことを聞かなきゃいけないの?

そういうことを言うお母さんも間違ってるよ。」

私はここでも言葉に詰まった。

 

次男が言ったことも、長男が言ったことも、正論だった。

私は子どもたちのその正論ですら、押さえ込もうとしていた。

私はそんな自分がつくづく嫌になった。

 

家族は一緒に生活したほうがいい。

大人の都合で離婚などしないほうがいい。

子どもたちの生活環境を、そんな大人の都合で変えないほうがいい。

よっぽどのことじゃなければ。

 

うちはもうよっぽどのことなんじゃないか?と、私は思った。

 

子どもたちの正論をねじ伏せることはしたくない、と思った。

そして、そんな母親にはなりたくない、と、強く心から思った。