自己愛性人格障害と国際離婚

自己愛性人格障害者と離婚する決意をしながらもまだまだ決着がつかない海外在住者の独り言です。

出国禁止命令

離婚に同意したはずだった相手が、私の知らぬところで、勝手に弁護士を立てた。

相手がしたことは、子どもたちに対する出国禁止命令だった。

 

これは、正確には、私が子どもたちを相手の同意なしに国外に連れ出したら、

私が即刻逮捕される、というものだ。

国際結婚、国際離婚が多い国らしいので、そういう制度が当たり前に存在する。

私は、そもそも相手の同意なしに出国する意思はない。

日本がハーグ条約に加盟したのも知っている。

いや、ハーグ条約に日本が加盟してようがしてなかろうが、

勝手に連れ出すことは考えてもなかった。

だから、離婚を正式に切り出したのだから。

そのことは、私の弁護士さんも充分に知っている。

相手だって、私の弁護士さんに会って、三人で話をしたではないか?

 

私がこの命令書を受け取ってから、数時間後に相手は帰ってきた。

そして、喜々として私にこう尋ねた。

「何か受け取っただろう?」

相手は、私が受け取った事を、自分の弁護士から聞いた上で帰ってきたのだ。

相手は、殊勝な顔をして叫んだ。

「子どもたちは俺のものだ。こいつらをこの国から一歩も出さない!

俺しかこれを変更できないんだから、お前が何をしたってダメだ!」

 

内心、本当に怖くて心臓がバクバクしたが、私は冷静を保っていた。

私が怖がってしまったら、子どもたちがもっと可哀想だ。

それに何よりも、相手に私が不安がってる顔を絶対に見せたくはなかった。

子どもたちは私に、「お母さん、僕達、日本に帰れるの?大丈夫なの?」

と、すでに泣きそうな顔で聞いてきた。

 

「大丈夫!お母さんに任せてね。」私はそう答え続けた。

そう答えながらも、本当は不安で不安でたまらなかった。

 

そして相手が再び出かけたタイミングを見計らって、

自分の弁護士さんに連絡をして、早急に会う日時を決めた。

 

弁護士さんは私に、「慌てないで。大丈夫だから。取り乱さないように。」

と、私を安心させてくれた。

 

電話口の私の声はきっと震えていたのだろう。