自己愛性人格障害と国際離婚

自己愛性人格障害者と離婚する決意をしながらもまだまだ決着がつかない海外在住者の独り言です。

出国禁止命令 一時停止の裁判再び、そして判決

去年の夏休みが始まる前、私の弁護士さんは、

子どもたちに対する出国禁止命令の

一時停止の申し立てをした。

夏だけは、日本に戻れるようにして欲しい、という私たちの申し立ては、

寛大に裁判所に受け入れられ、

あとは相手側と合意を交わすだけであった。

相手の弁護士もこれに了承していたにも関わらず、

合意が行われる日に、相手が裁判所に乗り込んできて

全てをぶち壊した。

このことにより、私と子どもたちは、毎夏、日本に帰っていたが、

昨年は帰ることが出来なくなってしまった。

 

夏休みが終わり、またこの裁判が行われる運びとなった。

私の弁護士さんは、次の夏休みに対しての

出国禁止命令の一時停止を求めていたからである。

 

正直、私はこの裁判はもうどうでもよくなっていた。

どうせ、自国の人間が有利、

所詮、私は外人、

また負ける、

と、思っていた。

 

弁護士さんに、この裁判には私も来るように、と言われた。

相手も裁判所に来ることもその時、知らされた。

 

更に行きたくなくなった。

 

こっちが何を訴えても、

自己愛性人格障害者お得意の、

お涙頂戴、

俺が被害者、

俺は素晴らしい父親、

という 

自己愛性人格障害劇場が繰り広げられるのは目に見えていたからだ。

 

行きたくないです、私は弁護士さんに言った。

これは来なきゃダメだ!私は弁護士さんに言われてしまった。

行くしかなかった。

 

今でも同じ家に住んでいるが、裁判所にはもちろん別々に行った。

相手は、運転できない私に

一緒に行こうか?と言い出した。

そうすることにより、夫婦は円満です!

ということを強調するのは分かっている。

離婚するには、一緒に行動しない、これは大前提である。

まして、裁判に二人仲良く行くなんてあり得ない。

相手は、私が離婚したいということを、まだ本気に思ってないようである。

 

裁判所、相手はたった一人の親友を連れてきていた。

多分、この親友も自己愛性人格障害者だと思う。

これも、もはや私にはどうでもいい事だが。

 

私を実際にいつも担当しているのは、私の弁護士さんの部下である。

担当してくれている弁護士さんは、相手よりも若い男性である。

相手は、この若い弁護士さんを下に見ている。

しかし、私の知りあいの弁護士さんには、苦手意識がある。

なぜなら、この知りあいの弁護士さんは、

私達の下の子供の親御さんだからである。

私の知りあいの弁護士さんは、相手にとっても顔見知りの人であるのだ。

 

裁判所には、なんと、私をいつも担当してくれる若い弁護士さんだけではなく、

知りあいの弁護士さんも来てくれた。

二人がかりでこの裁判に臨んでくれたのだ。

 

知りあいの弁護士さんは、相手を見つけるなり、握手を求め、

そして、おはよう!元気?と、サラっと聞いていた。 

相手はかなり驚き、そして見るからにオドオドしていた。

私も相手の弁護士に、サラッと、おはようございます!と挨拶をした。

別に、こっちは悪いことしてないんだから、

堂々としてよう!

これを私は弁護士さんから、その行動で教わった。

 

裁判所の中でも、私の弁護士さんは堂々としていた。

私も姿勢を良くし、堂々とすることに努めた。

 

私はこの国の言葉を話せない。

日常生活も私の仕事関係も英語でなんとかなってしまうので、

この国の言語をちゃんと学んでこなかった。

私の知りあいの弁護士さんが、私に裁判官の言葉を同時通訳してくれた。

 

裁判中、相手の弁護士が相手を表に連れ出して、何か話をして戻ってきた。

何か戦略でもあるのかしら?

私は嫌な気分になった。

しかし裁判官は、私に終始、穏やかに話しかけていた。

どのくらい帰りたいか?

いつ帰りたいか?

などと訊いてきた。

 

結果、夏に最長6週間、無条件で日本に帰ってよし!ということになった。

でも、他の国に子どもたちと行ってはだめですからね!と、裁判官に言われた。

他の国には興味ないし、それは相手がしてくれて構わないです。

と、私は答えた。

心の中では、

子どもたちの面倒だってみたくないし、お金も使いたくないから、

相手はどこにも子どもたちを連れて行かないけどね‥と思いながら。

 

相手が前回に喚いていたような、政府からの手紙や、一千万円の保証金などは

裁判では話にも上がらなかった。

 

出国禁止命令が解除されたわけではないけれど、

これからは毎夏、無条件で子どもたちと日本に戻れる、という判決は

私達には、勝利を意味するものだった。

裁判が終わり、家まで私を送ってくれた弁護士さんが、私にこう言った。

 

相手は、裁判官が何を言ってるのか、よく分かってない感じだったよ。

とても緊張してたよ。

そして、すごくオドオドしてたしね。

相手の弁護士が相手を連れ出したのも、黙ってるように言ったんだと思うよ。

裁判官と話が全く噛み合ってなかったから。

 

そして、弁護士さんは更にこう言った。

相手は裁判官から注意されてたよ。

あなた(相手のこと)は、子どもたちを奴隷のように、

家に閉じ込めてはいけない!って。

 

本当は、次に日本に戻るときは、永久帰国にしたい、と思っていた。

でも、まだまだ長引きそうなので、この裁判の判決は嬉しかった。

無条件というのは、相手の同意なども要らない、ということだ。

この判決は、もう覆らない。

 

帰ってきたら子どもたちに判決を伝えようと思っていたら、

相手が先回りして判決を伝えていた。

 

俺が許可してやったから、日本に夏、帰れるようにしてやったぞ!と。

 

子どもたちは私に訊いてきた。

お父さんが許したからって本当?

 

私は答えた。

裁判官が決めたんだよ。

お父さんの許可なんて必要ないんだよ。

だって裁判官は、お父さんに許可を求めてなんかないんだから!と。

 

また嘘付いたんだね、お父さんは。

子どもたちは、怒るでもなく、落胆するでもなく、こう私に言った。